『告白』

湊かなえ『告白』、読了致しました。

告白

告白


会社の先輩から強敵的に貸す!って言われました。
でもカバーに書かれた内容から興味を持ちました。
特に、衝撃的ラストと書いてあったので、面白そうやなぁと。
それに、世間で話題になって、映画化までされてるし。



感想
この本は、章ごとに語り手が変わります。
なので、勿論事件に対する視点もそれぞれ違うし、
告白内容も告白時期もそれぞれ違います。
なので、事件の真相も読み進めるにつれて明らかになっていきます。
そんな点も面白いです。


1章「聖職者」(殺された娘の母親=クラスの元担任)
非常に面白く、先が気になって一気に読みました。ゾクゾクします。
映画に出てる松さんを想い浮かべながら読みました。
1章後半で自分がしたことを告白するシーンが興味深い。
この内容を読んで「そんなこと可能?」と思いましたが、
それは予想通りでした。


2章「殉教者」(娘を殺した加害者A、Bのクラスメイト)
率直な感想は、ウェルテルうぜぇ。です。
でも最初ってあんな感じなんですかね、
教師ともなれば尚更かもしれません。
僕の小学校の先生(若くはない)も結構熱血やったけど、
かなり評判が悪く、酷い状況になってたからなぁ・・・。
そんなうぜぇウェルテルですが、
最終的には可哀そうな人の一人です。


3章「慈愛者」(娘を殺した加害者Bの姉(母親の日記))
この章は、最も読むに堪えませんでした。
人を殺してしまい、変貌していく我が子の最も近くにいながら、
何とかしようと必死に動くけど何ともならず、何も分からず、
それでも変わり続ける我が子に一喜一憂しつつも、
やはり我が子を信じたい、守りたい、救いたい、
でもやはり何も分かっておらず、何も出来ないまま、
最悪のカタチで終わります。
息子を愛し、信じ過ぎた母親、悲しい程に何も分かっていなかった。


4章「求道者」(加害者B)
Bがどういう経緯でこの事件に関わり、殺人を犯し、
その後の生活と心情の変化を告白しています。
前章の加害者Bの母親の告白と読み比べると悲しくなります。
加害者Bの母親が哀れにすら思えてきます。
いろいろと真相が分かります。


5章「真奉者」(加害者A)
加害者Aの生い立ち、どういう経緯で事件に関わり、
その後、何を考え、どういう行動をとるか。
この物語の中で最も曲者かもしれません。
それにしても歪み過ぎ・・・。


6章「伝道者」(殺された娘の母親(元担任)、再来)
この章は半ばでオチが分かってしまうので、イマイチ。
でも、復讐者の怖さ、全てを失った者の反則的な強さ、
なかなか読み応えがありました。




やっぱりこの小説は、内容さることながら、
書き方が良かったような気がします。
章ごとに語り手が分かり、章・節の最後に衝撃的な告白。
この展開のカタチのおかげで、話の先が気になる気になる。
結局、一日で読み終えてしまいました。
俺の土曜日を返せ!!映画絶対に観たい!!